<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第8回 農業ITのデータ流通を促進
国策としての注力姿勢がより鮮明に ITの活用による農業の競争力強化は、当初の「世界最先端IT国家創造宣言」でも重点分野に掲げられていた。2020年の目標として、「農林水産物輸出額1兆円」を掲げ、篤農家(研究熱心な農家)の高度なノウハウをデータ化して活用するという方針だった。改定版では、「データの流通」による先進システムの水平展開に取り組むことも明文化していて、国策として農業ITを強力に推進する姿勢...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第9回 ITベンチャーを施策パッケージで支援
日本版のグーグルやフェイスブックを育てる 政府がITのイノベーションをけん引する勢力の一つとして期待しているのが、ITベンチャーだ。「日本版のグーグルやフェイスブックを育てたい」とは、IT施策を所管する府省の幹部がよく口にする言葉だが、ITベンチャーを支援する施策パッケージを包括的に展開する方針を明確にしたのも、改定版「世界最先端IT国家創造宣言」のポイントだ。 施策パッケージは、「起業家精神を創...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第10回 ITで「おもてなし」をレベルアップ その1
東京五輪は日本のITソリューションを世界に発信する絶好のチャンス東京五輪を最先端ITの見本市に 2020年を目標年として、日本のあるべき姿をまとめた「世界最先端IT国家創造宣言」。2013年6月にその内容を閣議決定したわけだが、同年9月、同じく2020年に東京で世紀のビッグイベントが開催されることが決定した。そう、東京五輪である。 当然、世界中から多くの外国人が、東京、そして日本に集うことになる。...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第11回 ITで「おもてなし」をレベルアップ その2
音声翻訳技術で壁を乗り越えろ! 政府は東京五輪に向けて、公衆無線LANのアクセス拠点を面的に広げるという環境整備を進めるが、これを活用した「おもてなし」のためのコンテンツも同時に整備していく必要がある。 東京五輪は、観光産業や飲食業、宿泊業を含むさまざまなサービス業にとっても大きな商機といえる。この商機をしっかりとものにするためには、「言葉の壁」をいかに乗り越えるかも重要な課題になる。改定版「世界...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第12回 ITで「おもてなし」をレベルアップ その3
実際の利用環境に耐え得る翻訳アプリを 総務省が2015年度から2019年度までの5年間で約100億円の予算を投じて行う多言語音声翻訳技術の研究開発・実証は、三つの事業から成る。 一つは、雑音抑制技術の開発だ。実際に翻訳が必要になる場面を想定すれば、会話の相手と一対一で静かな場所で対面しているというケースはほとんどないはず。周囲の雑音を抑制し、翻訳したい声だけを認識する技術が求められる。目標は、音声...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第13回 ITで「おもてなし」をレベルアップ その4
自動走行システムは、社会を大きく変える可能性を秘めるビッグデータやIoTでITSも飛躍的に進化 ITを活用した安全で快適な道路交通の実現も、政府が東京五輪で世界に示したい成果の一つだ。 自動車産業は、日本が世界に誇る産業として発展してきたが、その自動車の活用に不可欠な道路交通インフラについても、高度化を目指すのは当然の方向性だ。道路交通の安全性を高め、輸送効率や快適性の向上などを図るために、先進I...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第14回 ITで「おもてなし」をレベルアップ その5
2030年には国内全新車に安全運転支援システムが? 「官民ITS構想・ロードマップ」では、まず安全運転支援システムと自動走行システムを、表1のように定義・分類した。簡単にいうと、運転者に注意喚起するための情報提供機能と、ハンドル、アクセル、ブレーキ操作のいずれか一つを自動車側が行う機能までが安全運転支援システム、それ以上の高度な自動運転を実現する技術が自動走行システムになるということだ。 それぞれ...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第15回 閣僚級会議で行政IT化を強力に推進
情報システム改革の推進体制も強化 「世界最先端IT国家創造宣言」の改定では、個別の政策を追加しただけでなく、政策推進の体制にも手を加えた。とくに、本連載の第7回で紹介した政府の情報システム改革については、新しく閣僚級の会議を設置し、行政のIT化と業務改革をセットで強力に推進する姿勢を明確にしている。 過去を振り返ると、2001年に「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)」が設...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>第16回 まとめ(1) 規制緩和に動くも依然残る課題
目標実現の阻害要因を取り除くロードマップ 「世界最先端IT国家創造宣言」の改定内容をみると、当初の目標実現に向けた阻害要因を洗い出し、その解決のためのロードマップを整備してより説得力のあるビジョンに仕上げようと試みたといえそうだ。 例えば、IT投資の直接効果が年間1兆~1.5兆円、経済波及効果が5.5兆円ともいわれるオープンデータの推進については、府省横断の共通カタログサイトを整備し、国が率先して...
View Article<どうなるニッポンのIT 政府IT戦略の改定ポイント>最終回 まとめ(2) 真の「おもてなし」を実現できるか
東京五輪関連施策に重点配分した15年度予算 新たに「世界最先端IT国家創造宣言」改定版に盛り込まれた要素として最重要なのは、東京五輪関連の施策だ。ITを活用した「おもてなし」を通じて、日本の最先端ITソリューションを世界に発信しようというもので、2015年度の政府IT関連施策予算のなかで、最も手厚い予算措置がなされた領域といえる。1月に閣議決定された15年度当初予算案、14年度補正予算案を合わせる...
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